『地域の力—食・農・まちづくり』(大江正章著、2008年、岩波新書)

第1次産業を中心にしながらも、柔軟な発想により魅力を発信している地域がある。本書ではそうした国内先進地の取組を詳細にレポートしつつ、それぞれの事例の共通項を見出し普遍化する道を探る。

第1章では、島根県雲南市にて地域に根ざした食品加工、販売を行う木次乳業の取組、第2章では兵庫県相生市等における商店街が地域を支える事例、第3章では地域活性化事例としては国内で最も有名であろう徳島県上勝町の事例を、福祉の観点から見つめ直している。第4章では地産地消先進都市である愛媛県今治市の取組と学校給食の重要性を、第5章では畜産業再生の事例として北海道標津町等での取組、第6章では高知県梼原町等を中心に進む林業再生の事例を紹介している。

第1次産業ではないが、第7章では富山県富山市及び高岡市の路面電車の取組を中心に公共交通の重要性を確認している。

第8章では、都心で進む体験農園の取組から、新たなコミュニティとしての重要性、農のあらたな機能や役割を確認している。

本書は初版が2008年となっており、出版から今日現在で約5年が経過している。5年経った今日現在、本書で紹介された各地の取組がどのように進化しているのか、非常に気になるところ。時間のあるときにそれぞれ追跡調査してみたいものだ。

『地域の力—食・農・まちづくり』
著者:大江正章
出版年:2008年
出版社:岩波新書(新赤版)1115