玉村豊男著『田舎暮らしができる人できない人』

田舎暮らしができる人できない人

東御市の里山でワイナリーを営む著者が、自身の体験に基づく田舎暮らしの魅力を語った一冊。

じわじわと著者のようなマインドの流れが生まれてきているような気がして、時代を先取りした考え方になるように感じます。

田舎暮らしとは直接関係しませんが、著者の考える働くことの意義について、以下の一節は特に印象に残りました。

「私は、自分が定年のないその日暮らしの職業のせいか、人間は死ぬまで働くべきだ、と考えています。このときの「働く」という意味は、かならずしも収入を得るための仕事だけを指すのではなく、おカネにはならないが熱中して時間とエネルギーを注ぐことのできる趣味や、ほかのことでは得られない生き甲斐を感じることのできるボランティアなども含みますが、要するに、好きで、やりたいと思うモチベーションがあり、それをやることで誰かの役に立てる、あるいは誰かがよろこんでくれる、つまり自分の存在が他人にとって必要なのだということを認識できるなんらかの行為を、人間は死ぬまで続けるべきだと思うのです。」(P.146)

『田舎暮らしができる人できない人』玉村豊男著,集英社新書,2007年

■目 次

  • はじめに—私たちの田舎暮らし
  • 第1章 田舎暮らしの魅力
    • 田舎に住んでいるという優越感
    • 朝は太陽とともに—田舎暮らしの時間割
    • もう東京では暮らせない
  • 第2章 いまなぜ田舎暮らしなのか
    • 田舎暮らしという新しい潮流
    • 生活の輪郭線—手ざわりのある暮らしを求めて
    • 自然の魅力がわかる年齢
    • 子供の頃の風景
  • 第3章 バリアが低くなった田舎暮らし
    • 秀吉以来の隣組
    • 意味が変わった「村八分」
    • 田舎の人の行動半径
    • クルマ社会の憂鬱
    • ファックスからインターネットへ
    • 宅配便が日本を救う
  • 第4章 スローライフは忙しい
    • スローライフとロハスの違い
    • 田舎暮らしは男のロマンか
    • 奥さんはなぜ田舎暮らしに反対するのか
    • どんな田舎に住みたいのか
  • 第5章 田舎暮らしの意味するもの
    • 大工さんの日曜大工
    • 産業革命がやってきた日
    • オジサンとオバサンの成り立ち
    • 優秀なトレーダーの発想
    • カネから時間を取り戻す
  • 第6章 田舎暮らしができる人できない人
    • ひとり遊びができますか
    • モーツァルトとカエルの合唱
    • 人が恋しい人
    • 憧れもせず恐れもせず
  • 第7章 田舎暮らしの心配ごと
    • トマト事件
    • どこにでもあるムラ社会
    • 郷に入れば郷に従え?
    • 病気になったらどうするか
    • 死ぬまで働く
  • 第8章 農業をやりたい人へ
    • トマト事件2
    • ジムのかわりに畑へ行く
    • 定年から農業をはじめる
    • 農業的価値観を身につける
  • あとがき—新しい人生に漕ぎ出す友へ

■参考