網野善彦著(1997)『日本社会の歴史』岩波新書

初めから一つの日本があったのではない。そこから出発する日本通史。著者の歴史の視点は、下巻第12章の展望に明確にされているので、これに目を通してから全体を眺めるのがおすすめ。

通史を読んで常に思うのが『平家物語』の冒頭でして、畢竟我々の今の時代の常識すら明日にはどうなるかわかったものではないという思いを強くします。

祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響あり
沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらはす
驕れる者久しからず ただ春の夜の夢の如し
猛き人もついには滅びぬ ひとへに風の前の塵に同じ

『日本社会の歴史(上)』目次

  • はじめに
  • 第1章 原始の列島と人類社会
  • 第2章 首長たちの時代
  • 第3章 国家形成への道
  • 第4章 「日本国」の成立と列島社会
  • 第5章 古代小帝国日本国の矛盾と発展

『日本社会の歴史(中)』目次

  • 第6章 古代日本国の変質と地域勢力の胎動
  • 第7章 東国王権の出現と王朝文化の変貌
  • 第8章 東西の王権の併存と葛藤

『日本社会の歴史(下)』目次

  • 第9章 動乱の時代と列島社会の転換
  • 第10章 地域小国家の分立と抗争
  • 第11章 再統一された日本国と琉球王国、アイヌ社会
  • 第12章 展望—17世紀後半から現代へ
  • 参考・参照文献
  • むすびにかえて