小川剛生(2017)『兼好法師—徒然草に記されなかった真実』中公新書

小川剛生(2017)『兼好法師—徒然草に記されなかった真実』中公新書

吉田流卜部氏に生まれ六位蔵人から従五位下左兵衛佐に任じた、という現在定説となっている「吉田兼好」像は、偽系図・偽書に基づくファンタジーであり、史料から読み取れる兼好法師像はもっと俗っぽくて生き生きした人物である、という極めて衝撃的な内容の一冊でありながら、当時の制度や慣習を踏まえた史料解釈に基づく冷静な論の展開に、深く引き込まれます。何事も批判的な視点をもつというのは大事ですね。難しいことですが。

目次

  • はしがき
  • 第1章 兼好法師とは誰か
  • 第2章 無位無官の「四郎太郎」—鎌倉の兼好
  • 第3章 出家、土地売買、歌壇デビュー—都の兼好(1)
  • 第4章 内裏を覗く遁世者—都の兼好(2)
  • 第5章 貴顕と交わる右筆—南北朝内乱時の兼好
  • 第6章 破天荒な歌集、晩年の妄執—歌壇の兼好
  • 第7章 徒然草と「吉田兼好」
  • 参考文献
  • 年譜
  • 索引

参考