苅米一志(2015)『日本史を学ぶための古文書・古記録訓読法』吉川弘文館

古文書解読と言えば、一文字一文字何という文字なのかを紐解いていく作業を思い浮かべるだろう。「ゟ」、「候」、「御」、「被」、「而」など独特なくずし字を最初に教わった人も多いはず。古文書辞典類もかなり充実しているし、有名な史料であれば翻刻されているものも多い。

一方で、それをどのようにして文章として読むかというと、これを学ぶ機会がなかなかない。学生時代は、先生の読み上げるのを聞いて学ぶことができた。独学では読み方を知る方法はないに等しい。なぜそう読むのかもわからない。

本書は、古文書の訓読に焦点を当てたもの、これまで見たことのない一冊である。正確な訓読ができなければ、正しい解釈もできない。正しく解釈できなければ文字を読めても文書を読めることにはならない。初学者はもちろん、学び直しの方にも必読の書である。

学生時代に出会えなかったことが悔やまれる。