森町、石谷駅前にある鰊供養塔。
宝暦7年、豊漁となった鰊を埋却した際に建てられた鰊供養塔。
2007年の訪問当時、写真のとおり風雪から塔を保護するためと思われるが、ガラスの展示室に納められていた。
2007年3月3日撮影。道有形文化財指定を記す碑。
2007年3月3日撮影。
森町設置の説明板の内容は以下のとおり。
北海道指定有形文化財 茅部の鯡供養塔
一、建立 宝暦7年5月(西暦1757年)
二、碑文
(表面)
宝暦七丁斗天
〓南無阿弥陀仏
五月吉祥日
鯡供養塔
(裏面)
漁者 亀田家中
同断 茅部衆中 願主箱館 佐藤彦左衛門
同断 箱館衆中
同断 村邑衆中
三、由来
宝暦年間の東蝦夷地茅部場所は、鰊の豊漁地として有名になった。地元茅部漁民の外に、箱館・亀田・上磯等より多数の入稼出漁者が来て、沿岸一帯の鰊漁業は大へん盛況となり、特に宝暦7年の春鰊は大豊漁で、浜辺は鰊の山を築いた。
当時鰊は、乾製食料以外鰊搾粕の行われない頃であったから、この大漁に当り、漁業者合議の上土中に埋めて鰊の供養塔を建て、慰霊法要をしたのである。
後年尚この地方は東部鰊の盛漁地として名を成したが、明治以後次第に漁獲が減少し往時の面影は今はないが、この塔の存在は本道開拓漁業史上最も重要な鰊のみの供養塔であることから、本道有形文化財として世上の関心が高まり、昭和5年6月22日史跡保存法により仮指定となり、更に昭和38年12月24日北海道有形文化財の指定を受け、永久保存管理されることとなった。
昭和39年10月1日
管理責任者 森町