Book一覧

工藤雅樹(2001)『蝦夷の古代史』平凡社新書

「縄文」「蝦夷」「アイヌ」。言葉の定義として整理し、理解することが重要ながら、相当に難しい。実際には、これらは区分けできるものではなく、ゆっくりと溶け込むようにして今に至っている、そんなふうに感じました。

目次

  • はじめに
  • 第1部 古代蝦夷の諸段階
    • 第1章 古代蝦夷の諸段階
    • 第2章 東国人としての「エミシ」—第1段階
    • 第3章 大和の支配の外にある者としての「エミシ」—第2段階
    • 第4章 大化の改新後の世界—第3段階
    • 第5章 平安時代の蝦夷—第4段階
  • 第2部 蝦夷はアイヌか日本人か
  • あとがき
  • 参考文献
  • 年表

 


山田秀三(1966)『ユーカラの里』登別温泉ケーブル株式会社・加森観光株式会社

ユーカラの里

のぼりべつクマ牧場の奥にあるアイヌコタン「ユーカラの里」の売店で、山田秀三著『ユーカラの里』を購入しました。200円と手頃であり、かつ、42ページのコンパクトな書籍ながら、アイヌ文化の一端を概説するのみならずアイヌ文化と日本文化との交流にまで言及されておりました。大変勉強になります。

 

  • 目次
    • はしがき
    • 1 村の概要
    • 2 アイヌ文化と日本文化との交流
    • 3 若干の解説
    • 4 道具類目録

 

 


瀬川拓郎(2016)『アイヌと縄文—もうひとつの日本の歴史』ちくま新書

縄文文化を受け継いだアイヌ。縄文文化は、弥生文化に飲み込まれてしまいすでになくなっている、というのは誤りで、脈々と我々の深層で生き続けている。

前に読んだ『マタギ 矛盾なき労働と食文化』(田中康弘著)とも内容がつながっているように思われた。

 

 

 

  • 目次
    • はじめに
    • 第1章 アイヌの原郷—縄文時代
      • 1 アイヌと縄文文化
      • 2 アイヌと縄文人
      • 3 アイヌと縄文語
    • 第2章 流動化する世界—続縄文時代(弥生・古墳時代)
      • 1 弥生文化の北上と揺れ動く社会
      • 2 古墳社会との交流
      • 3 オホーツク人の侵入と王権の介入
    • 第3章 商品化する世界—擦文時代(奈良・平安時代)
      • 1 本州からの移民
      • 2 交易民としての成長
      • 3 同化されるオホーツク人
    • 第4章 グローバル化する世界—ニブタニ時代(鎌倉時代以降)
      • 1 多様化するアイヌの世界
      • 2 チャシをめぐる日本と大陸
      • 3 ミイラと儒教
    • 第5章 アイヌの縄文思想
      • 1 なぜ中立地帯なのか
      • 2 なぜ聖域で獣を解体するのか
    • おわりに
    • 引用文献

 

 


相川俊英(2015)『奇跡の村 地方は「人」で再生する』集英社新書

自治体関係者の間ではとても有名な長野県下條村、群馬県南牧村、神奈川県旧藤野町(現在の相模原市緑区の一部)について、著者のヒアリング調査等に基づく事例紹介した書。ただし、本書の事例を一般化することは極めて困難な印象。

 

 

 

 

相川俊英(2015)『奇跡の村 地方は「人」で再生する』集英社新書

  • 目次
    • 第1章 奇跡の村「下條村」
      • 【下條村・序論】
        • 全国有数の高い出生率
        • 合併を拒んだ「自立宣言」
        • 小さな村の政権交代
      • 【カリスマ村長】
        • 叩き上げの事業家
        • 役場の実態に驚愕
        • 国策に異を唱える
        • 地域重視で行った「常識外れの決断」
      • 【意識改革】
        • 組合の要求書に「ノー」
        • 民間企業で職員研修
        • 役場の雰囲気が変わった
        • 小数になれば精鋭になる
      • 【資材支給事業】
        • 「ご自分たちで汗をかいて下さい」
        • 共助の慣行がよみがえる
        • 土建業者と共存共栄
      • 【若者定住策】
        • 財政健全化で攻めの姿勢へ
        • 若者向け集合住宅を自主財源で建設
        • 独自の入居基準を設定
        • 手厚い子育て支援策
        • Iターン転居者に聞く「下條村での生活」
      • 【下條村の今】
        • 村民アンケートで「大合併」を拒否
        • ハコモノは、国の補助金を上手に活用
        • 今後の課題—薄れる議会の存在感
    • 第2章 消滅可能性ナンバーワン? 「南牧村」を訪ねて
      • 【南牧村の今と昔】
        • 「若いと言っても70代後半ですがね」
        • 消滅可能性トップという烙印
        • 注目される今がチャンス?
        • 蒟蒻、養蚕・・・基幹産業の衰退
        • 小学校は民俗資料館に変貌
        • 運動会は村民体育祭に
        • かつての村民体育祭の模様
      • 【成果なき活性化策】
        • サービスあれども雇用なし
        • 歳入の6割以上を地方交付税に依存
      • 【古民家バンク】
        • きっかけは酒席から
        • 空き家対策で村の活性化を
        • 空き家調査で地域資源を再発見
        • 3年間で14世帯26人が村に転入
      • 【移住者たち】
        • 新旧の住民が一堂に会す
        • 「ここなら自分がやりたい農業ができる」
        • ヤギが結んだ絆
        • 若い移住者たちのネットワーク
      • 【元気な高齢者】
        • メディアの決めつけに憤慨する
        • 「夫婦で500万円はいけますよ」
        • 珍品種の成功で活気づく花卉農家
        • 稼ぎは自分の腕次第
        • うわべの数字だけ格好をつける「地方創生」では意味がない
    • 第3章 人をつなげる役場職員「旧・藤野町」
      • 【元女性町議の回想】
        • 住民派女性議員の草分け
        • 「よそから来た変な奴、それも女が選挙に出るなんて」
        • 町と議会は開発志向に染まりきっていた
        • 「ふるさと芸術村」構想
      • 【様々な新住民】
        • 「アートが棲むまち」
        • 「人の誘致」を町の政策に
        • 「里山長屋」で新しい生活
        • シュタイナー学園の受け入れ
        • 地域内に多様な人的資源が集まる
      • 【「藤野町」の消滅】
        • どうすれば地域に受け入れられるのか
        • 地元住民には折り合いをつける力がある
        • 合併劇の経緯
      • 【トランジション・タウン】
        • 「妄想会議」
        • 「トランジション藤野」を発足
        • 「藤野電力」とは
        • 地域通貨「よろづ」
      • 【ヒューマンパワースポット】
        • 地域内で仕事を立ちあげたい
        • 「アートの棲むまち」から「アートビジネスのまち」へ
        • 行政が遠くなり、住民が自立する
    • おわりに

 

 

 


森博嗣(2014)『孤独の価値』幻冬舎新書

「孤独」というと負の印象を抱くが、「自由」というと正の印象にかわる。「孤独」は「自由」と一体のものであり、人間としての本当の価値を我々に気付かせるものが「孤独」である。

 

 

 

 

森博嗣(2014)『孤独の価値』幻冬舎新書

  • 目次
    • まえがき
    • 第1章 何故孤独は寂しいのか
    • 第2章 何故寂しいといけないのか
    • 第3章 人間には孤独が必要である
    • 第4章 孤独から生まれる美意識
    • 第5章 孤独を受け入れる方法
    • あとがき

 

 



イザヤ・ベンダサン『日本人とユダヤ人』

著者イザヤ・ベンダサンは山本七平のペンネームと言われている。「いざや、便出さん」の意味ではないか、とも言われているらしい。正直本書におけるユダヤ人に係る内容についてはどこまで正確なものかわからない。が、おそらく本書は、ユダヤ人について知らしめることはまったく目的にしておらず、日本人というのが如何なるものなのかをあぶり出すための仕掛けとして仮想ユダヤ人の視点を用いているだけと感じた。そう考えて、著者の日本人論、という部分にだけフォーカスして読むべきである。

無宗教(あるいは葬式仏教)と言われる日本人が、実は「日本教」という独自の宗教に思考・生活すべてを規定されている。この指摘は鋭い。鋭すぎる。鋭すぎて血が出る。

  • イザヤ・ベンダサン(1971)『日本人とユダヤ人』角川ソフィア文庫
  • 目次
    • はじめに
    • 1 安全と自由と水のコスト—隠れ切支丹と隠れユダヤ人—
    • 2 お米が羊・神が四つ足—祭司の務めが非人の仕事—
    • 3 クローノスの牙と首—天の時・地の利・人の和—
    • 4 別荘の民・ハイウェイの民—じゃがたら文と祝砲と西暦—
    • 5 政治天才と政治低能—ゼカリヤの夢と恩田木工—
    • 6 全員一致の審決は無効—サンヘドリンの規定と「法外の法」—
    • 7 日本教徒・ユダヤ教徒—ユーダイオスはユーダイオス—
    • 8 再び「日本教徒」について—日本教の体現者の生き方—
    • 9 さらに「日本教徒」について—是非なき関係と水くさい関係—
    • 10 すばらしき誤訳「蒼ざめた馬」—黙示的世界とムード的世界—
    • 11 処女降誕なき民—血縁の国と召命の国—
    • 12 しのびよる日本人への迫害—ディプロストーンと東京と名誉白人—
    • 13 少々、苦情を!—傷つけたのが目なら目で、歯なら歯で、つぐなえ—
    • 14 プールサイダー—ソロバンの民と数式の民—
    • 15 終りに—三つの詩
    • あとがき—末期の一票

 

 


養老孟司著『考える読書』

驚くほどの本を読んでおられる。本書に登場するのは推理小説よりもファンタジー小説が多いようだ。洋書をそのまま読めるのは羨ましい。かといって、自分も英語で読んでみたいとまでは思わないが。本書は、著者が読んだ本の感想を軸とした自由なエッセイ集である。昆虫割合多めなのと達観しているように思える人間観には大きな刺激を受けた。

 

 

 

  • 養老孟司(2014)『考える読書』双葉新書

 

 


木下斉著『稼ぐまちが地方を変える—誰も言わなかった10の鉄則』

行政に「稼ぐ」という視点は完全に欠如していたのではないか。行政改革等の号令のもと「絞る」ことにのみ焦点を当ててこなかったか。「絞る」ことも確かに大切ではあるが、「稼ぐ」がなければいつかは必ず枯渇する。「稼ぎ」を「再投資」するサイクルにつなげること、これは民間における地域経済活性化と同じかそれ以上に、地方自治体にとって重要な方針になる。

 

 

 

 

  • 目次
    • はじめに
    • 序章 学生社長、ハゲる
    • 第1章 まちから「利益」を生み出そう!
      • アメリカで学んだ「自立型」まちづくり
      • ふたたび”実践”の世界へ
    • 第2章 まちづくりを成功させる「10の法則」
      • 鉄則1 小さく始めよ
      • 鉄則2 補助金を当てにするな
      • 鉄則3 「一蓮托生」のパートナーを見つけよう
      • 鉄則4 「全員の合意」は必要ない
      • 鉄則5 「先回り営業」で確実に回収
      • 鉄則6 「利益率」にとことんこだわれ
      • 鉄則7 「稼ぎ」を流出させるな
      • 鉄則8 「撤退ライン」は最初に決めておけ
      • 鉄則9 最初から専従者を雇うな
      • 鉄則10 「お金」のルールは厳格に
    • 第3章 自立した「民」がまちを変える
      • 金食いインフラを「稼ぐインフラ」に
      • 行政と民間は緊張感ある連携を
      • 民間主導でまちを変えていく
    • おわりに
    • 【付録】まちを変える10の覚悟

 

 


森博嗣著『科学的とはどういう意味か』

科学とは、慎重に慎重を重ね多くの人が確認を重ねることにある。現代社会が科学なしに成り立たない以上科学と向き合うことを避けるべきではないと主張。

 

 

 

 

 

「科学は、経済のように暴走しないし、利潤追求にも走らない。自然環境を破壊しているのは、科学ではなく、経済ではないのか。」(p.91)

ここ、激しく共感。

 

森博嗣(2011)『科学的とはどういう意味か』幻冬舎新書

  • 目次
    • まえがき
    • 第1章 何故、科学から逃げようとするのか
    • 第2章 科学的というのはどういう方法か
    • 第3章 科学的であるにはどうすれば良いのか
    • 第4章 科学とともにあるという認識の大切さ
    • あとがき