中公新書一覧

渡邉義浩(2011)『三国志―演義から正史、そして史実へ―』中公新書

『演義』では蜀漢を正統とするが、陳寿の『三国志』では曹魏を正統とする。陳寿は蜀漢の旧臣から西晋の史家となったため、『三国志』においては劉備こそが後漢の継承者であるという思いを仄めかしながらも、曹魏から正統に国家を譲り受けた西晋の視点、つまりは曹魏を正統とする視点とせざるを得なかった。

それぞれの視点で曹操、関羽、諸葛亮、そして三国志の時代を眺めてみると、これまで我々が想像してきた三国志とは違った世界が見えてくる。


小川剛生(2017)『兼好法師—徒然草に記されなかった真実』中公新書

小川剛生(2017)『兼好法師—徒然草に記されなかった真実』中公新書

吉田流卜部氏に生まれ六位蔵人から従五位下左兵衛佐に任じた、という現在定説となっている「吉田兼好」像は、偽系図・偽書に基づくファンタジーであり、史料から読み取れる兼好法師像はもっと俗っぽくて生き生きした人物である、という極めて衝撃的な内容の一冊でありながら、当時の制度や慣習を踏まえた史料解釈に基づく冷静な論の展開に、深く引き込まれます。何事も批判的な視点をもつというのは大事ですね。難しいことですが。

目次

  • はしがき
  • 第1章 兼好法師とは誰か
  • 第2章 無位無官の「四郎太郎」—鎌倉の兼好
  • 第3章 出家、土地売買、歌壇デビュー—都の兼好(1)
  • 第4章 内裏を覗く遁世者—都の兼好(2)
  • 第5章 貴顕と交わる右筆—南北朝内乱時の兼好
  • 第6章 破天荒な歌集、晩年の妄執—歌壇の兼好
  • 第7章 徒然草と「吉田兼好」
  • 参考文献
  • 年譜
  • 索引

参考



高橋崇(1991)『蝦夷の末裔 前九年・後三年の役の実像』中公新書

前九年の役にて陸奥の安倍氏、後三年の役にて出羽の清原氏がそれぞれ滅ぶ。史料が少なく両氏の興隆の歴史に注目した研究は非常に少ない。こうした著者の問題意識に基づき、限られた史料を徹底的に精査することで、両氏の「興」と「亡」を改めて見直した一冊。

目次

  • はじめに
  • 第1章 平安時代の東北史<その1>
  • 第2章 六郡支配への道程<安倍氏の場合>
  • 第3章 山北支配への道程<清原氏の場合>
  • 第4章 前九年の役を考える
  • 第5章 平安時代の東北史<その2>
  • 第6章 後三年の役を考える
  • おわりに

 


スポンサーリンク