岩波新書一覧

荒井良(1976)『胎児の環境としての母体—幼い生命のために—』岩波新書

胎児に何よりも大きな影響を与える母体の健康を主題に、出産に至る各段階において体内で何が起こっているのか、また、胎児・新生児の体内で何が起こっているのかをわかりやすく解説した一冊。

 

 


小田切徳美著『農山村は消滅しない』

統計からの消滅が言われるなか、現場からの再興が示され、今後の農山村地域を抱える地方自治体政策の基本的視座になるものと思料。地域の多様性が国の強靱さにつながる。

 

小田切徳美『農山村は消滅しない』,岩波新書,2014年

  • 目次
    • はじめに
    • 序章 「地方消滅論」の登場
    • 第1章 農山村の実態—空洞化と消滅可能性
      • 1 進む農山村の空洞化
      • 2 強靱な農山村集落
      • 3 農山村の展望—増田レポートを考える
    • 第2章 地域づくりの歴史と実践
      • 1 「地域活性化」から「地域づくり」へ
      • 2 「地域づくり」の体系化への挑戦
      • 3 地域づくりのフレームワーク
      • 4 地域づくりの三つの柱
    • 第3章 地域づくりの諸相—中国山地の挑戦
      • 1 地域づくりの先発事例—山口県山口市二保地域開発協議会
      • 2 新しいタイプの地域づくり
        • (1) コミュニティによる住宅整備—広島県三次市青河地区
        • (2) 新たな「村」の創造—岡山県津山市阿波地区
      • 3 なぜ、中国山地か—事例の位置づけ
    • 第4章 今、現場には何が必要か—政策と対策の新展開
      • 1 補助金から交付金・補助人へ
      • 2 支援主体のあり方
      • 3 新しい政策の位置づけ
      • 4 「補助人」の役割と課題
    • 第5章 田園回帰前線—農山村移住の課題
      • 1 田園回帰の今
      • 2 農山村移住の実態—「あったかく」「かっこいい」地域へ
      • 3 農山村移住への支援策
      • 4 農山村移住の課題
    • 終章 農山村再生の課題と展望
      • 1 消滅しない農山村の仕組み
      • 2 政策論議の争点—農村たたみ
      • 3 都市・農村共生社会に向けて—国民的議論と選択
    • あとがき

 

 


網野善彦著(1997)『日本社会の歴史』岩波新書

初めから一つの日本があったのではない。そこから出発する日本通史。著者の歴史の視点は、下巻第12章の展望に明確にされているので、これに目を通してから全体を眺めるのがおすすめ。

通史を読んで常に思うのが『平家物語』の冒頭でして、畢竟我々の今の時代の常識すら明日にはどうなるかわかったものではないという思いを強くします。

祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響あり
沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらはす
驕れる者久しからず ただ春の夜の夢の如し
猛き人もついには滅びぬ ひとへに風の前の塵に同じ

『日本社会の歴史(上)』目次

  • はじめに
  • 第1章 原始の列島と人類社会
  • 第2章 首長たちの時代
  • 第3章 国家形成への道
  • 第4章 「日本国」の成立と列島社会
  • 第5章 古代小帝国日本国の矛盾と発展

『日本社会の歴史(中)』目次

  • 第6章 古代日本国の変質と地域勢力の胎動
  • 第7章 東国王権の出現と王朝文化の変貌
  • 第8章 東西の王権の併存と葛藤

『日本社会の歴史(下)』目次

  • 第9章 動乱の時代と列島社会の転換
  • 第10章 地域小国家の分立と抗争
  • 第11章 再統一された日本国と琉球王国、アイヌ社会
  • 第12章 展望—17世紀後半から現代へ
  • 参考・参照文献
  • むすびにかえて

 


網野善彦著『日本中世の民衆像 —平民と職人—』(岩波新書、1980年)

網野善彦著『日本中世の民衆像』(岩波新書、1980年)。

今のイメージでは捉えきれない社会が日本中世にはあった。特に東国と西国との交流が異なる民族間の交流と同じような一面を持っていたという指摘、現在の状況の下では想像するのが困難であるものの、非常に興味深い。

本書の初版は1980年。本書の問題提起はとてもスケールの大きなものと思われるのだが、出版から30数年経った今現在、日本中世史の最新の研究成果はどのようになっているのだろうか。

ちなみに帯文は先日亡くなった俳優小沢昭一さんが書かれている。

「私の芸能稼業の、あるべき姿を教えて下さったご本と感謝しつつ、折にふれては読みかえしてもおります。」

芸能史の研究にも熱心だったと言われる小沢昭一さんのコアな部分につながる書だったということなのだろうか。