梅田望夫一覧

梅田望夫(2006)『ウェブ進化論―本当の大変化はこれから始まる』ちくま新書

初版から10年以上経過してもなお陳腐化しておらず刺激を受けるところが多かったです。

以下、印象に残った点。

「日本の場合、インフラは世界一になったが、インターネットは善悪でいえば「悪」、清濁では「濁」、可能性よりは危険の方にばかり目を向ける。良くも悪くもネットをネットたらしめている「開放性」を著しく限定する形で、リアル社会に重きを置いた秩序を維持しようとする」(p.21)

著者が米国との比較で述べたもの。この傾向は、(少しはましになっただろうが)今でもさほど変わらず。

 

(Google内のアイデアマンの評価について)

「アイデアの起案自身と言うのはほとんど評価されない。アイデアっていうのは当然、難しい問題を含むものだ。その問題を解決して、動く形にして初めて評価される。口だけの人はダメだな」(p.87-88)

「あれは俺の発案なんだ」とか言いそうな「いっちょかみ」な人がだめなのは日本でも同じ。

「半導体に飛びついて電子立国・日本を達成し、PCにも飛びつき巨大なPC関連産業を日本にもたらしたのに、なぜインターネットには飛びつけなかったのか?」(p.92)

具体的な物には強い日本。物の見えないインターネットは不向き、ということか。いずれインターネットの向こう側にも日本初の巨大世界がつくられることを期待。

「全く新しい事象を前にして、いくつになっても前向きにそれを面白がり、積極的に未来志向で考え、何か挑戦したいと思う若い世代を明るく励ます。それがシリコンバレーの「大人の流儀」たるオプティミズムである。」(p.246)

ITに限らずあらゆる分野で求められる姿勢。特に日本の地域、特に高齢者にはこういう姿勢が重要なのでは。

 

目次

  • 序章 ウェブ社会―本当の大変化はこれから始まる
  • 第1章 「革命」であることの真の意味
  • 第2章 グーグル―知の世界を再編成する
  • 第3章 ロングテールとWeb2.0
  • 第4章 ブログと総表現社会
  • 第5章 オープンソース現象とマス・コラボレーション
  • 第6章 ウェブ進化は世代交代によって
  • 終章 脱エスタブリッシュメントへの旅立ち
  • 初出について
  • あとがき