亜墨利加一条写

亜墨利加一条写056 資料集
出典:函館市中央図書館デジタル資料館
亜墨利加一条写011
出典:函館市中央図書館デジタル資料館 亜墨利加一条写  (1810642403-011)

右之姿相成候而者一方ならぬ義
御猶予奉願上候所御聞届申義
無御座候得共婦人市中取払不相成
然共山付在辺所縁有之候族夫々に
手配いたし婦人手道具其外飯料
牛馬付出し誠騒々鋪相成申候且又
同日夜四ツ半頃遠藤又左衛門様御当所

早馬而御着相成御城下表昨日御出馬
之由御役人中右様付舛形迄夜五ツ頃迄
御出迎仕候得共前段之通付御逢不申
三月廿九日亜墨利加一条付御城下表より
当澗ヘ八ツ時一番手入船付浄玄寺
陸上いたし候御人数七十人余惣大将
佐藤大庫様殿高橋七郎左衛門様

亜墨利加一条写012
出典:函館市中央図書館デジタル資料館 亜墨利加一条写  (1810642403-012)

御籏頭近藤族様外御名前不相分
乗船御城下ノ吉祥丸
同廿九日汐首澳より異国船壱艘御殿
より上䑺去リ候趣付兼而御用意有之
御合旗相立候所彼ノアメリカ舟と差心得
市中騒立候得共同舟あら寸何れ江
去り候歟後日しら寸

三月廿九日市中売買米七匁三四分候所
アメリカ舟近々当澗候趣付右米
直段同日中八匁と相成売人不足買人
沢山随而右相場八匁四五分依之
御上様おいて重々御心配罷被有入米
御調子相成候得共一向不足高千俵持主
壱弍軒より無之外仕入米五十七十俵位持主

亜墨利加一条写013
出典:函館市中央図書館デジタル資料館 亜墨利加一条写  (1810642403-013)

有之候得共売米不相成其節濱田屋宿
舟津軽米少々積下市中米売
商人割合いたし直段七匁七分か八分か
是志寸翌朔日二日風筋よろしき
秋田米加賀米二千俵余入込相場引下
同日三日四日相成入米壱万俵余三月
下旬之模様ニ而アメリカ渡来候ハゝ大混乱

四月三日浜手之塀小路々々締向致而
白鳥新十郎様蛯子平五郎様代嶋剛平様
西村半次郎様村田林八様西村次兵衛様
并名主衆中市中締向兼被 仰付候
依之同日より代嶋様村田様名主衆壱人
市中見分相廻候木品并釘類持合
無之候族者町御役所より書付相渡し
普請場被持遣し夫々木品釘願受候

亜墨利加一条写014
出典:函館市中央図書館デジタル資料館 亜墨利加一条写  (1810642403-014)

当時不如意ニ而浜手囲方不相成廉者
御上様御普請候間アメリカ舟退帆
之後願受木品其儘被下相成
四月四日聞書
二月十日
江戸横浜と申所アメリカ人凡三百
六十人程上陸いたし候趣其後十人廿人宛
上陸之由
浜手小路囲方之義者婦人子供不取払

四月五日有川村種田徳右衛門より願出
一 有川戸切地居合四百九十人
 内百七十七人老若婦人三百十四人男女子供
今度アメリカ至来之趣付両村引取方
不行届候而も無之候得共そ山申所
居小家壱軒相建申度趣外助情同様
之米弐百俵差出旨願上候

亜墨利加一条写015
出典:函館市中央図書館デジタル資料館 亜墨利加一条写  (1810642403-015)

     触書
先頃武州神奈川沖渡来之亜墨
利加舟箱館湊見置度旨申立有之由
付而者近々入津之程義難斗候依之
心得向兼而申渡候間急度相守可申候
一 亜墨利加舟当沖合相見得候御合図
次第町々在々人足共早々役所并

銘々承之場所駈付可申候
 但 風筋寄御合図届兼候向可有
   之候間市中ニ而受継盤木を打端々
   迄告可申事
一 異国船渡来之節浜辺罷出或者
屋根上等見物致し候義堅く
不相成旨兼而被 仰出有之一同心
得居候筈候得共亜墨利加船之義者
別段之義抔心得違いたし見物

亜墨利加一条写016
出典:函館市中央図書館デジタル資料館 亜墨利加一条写  (1810642403-016)

出候而者以之外之事候若右様不埒之者
有之おいてハ申開之有無不拘召捕
入牢可申付候
一 アメリカ船滞留中者人夫相勤候者之外
商用たりとも小舟ニ而乗出候義者勿論
海辺罷出致徘徊候義堅御制止被 
仰出候若心得違之者於有之者仮令
異舟近寄不申候とも見当次第
捕押入牢可申付候

一 当澗居合之船ニ大小とも此節より不残
沖之口役所より内澗之方繰入相互
もやひを取並能く船繋いたし居
沖合異舟相見候御合図次第船頭
共者船中為取締銘々元船乗船
居若無餘義用事有之橋船ニ而
往返之節者船宿より沖ノ口役所
届出可申候追々入津之船も右之並合

亜墨利加一条写017
出典:函館市中央図書館デジタル資料館 亜墨利加一条写  (1810642403-017)

澗掛いたし可申候自分勝手碇を入振
等致候義不相成勿論異船退帆
無之内者出帆堅く不相成候間自他
之船頭共船主船宿共より急度可
申渡候万一異国人共澗懸之船々江
漕寄候義有之候共決而不取合早々
元船乗帰候様手真似而相諭
近付申間鋪勿論此方より橋船ニ而
異舟近寄不申様船手之もの共

厳敷可申付候若心得違之もの有之
おいてハ早々召捕入牢可申付候
一 アメリカ船下田相越候節も上陸之義
決而不相成旨従
公辺被 仰渡有之彼等も上陸不致
趣申立候由候得共下田滞船中度々
上陸いたし尤乱妨不致候得共所々
徘徊いたし猥人家立入食物等

亜墨利加一条写018
出典:函館市中央図書館デジタル資料館 亜墨利加一条写  (1810642403-018)

乞求め或者婦女子ニ目をかけ小児を
寺院抔者長座いたし候由粗相聞
得候得者当湊入船之上者上陸
致哉一体亜墨利加州之者共者婦人を
目かけ其上慾心深く候由候間万一
上陸之上者不法之義可有之哉も難斗
至而短気之生れ付而聊而も
彼等さからい候得者腹立致

候由万々一右等之所より争之端を
開候様之義有之候而者従
公辺厚く被 仰達候御趣意相振
恐入事候間如何様之義有之候共彼等
対し決而手荒之義無之何分も穏
申宥めさからい申間鋪候右付被 
仰出候通町々婦人小児之分者大野
市之渡最寄在々ニ而親類身寄
有之向者早々引移可申筈候得共

亜墨利加一条写019
出典:函館市中央図書館デジタル資料館 亜墨利加一条写  (1810642403-019)

左候節者数多之御百姓格別混雑
いたし不一方難渋及候間立退之義者
御猶予被成下候ハゝ老若不拘婦人
共者一切外出不為致急度取締候様
取斗申度段町年寄共申立之趣無
余義相聞得候付願之通被 仰付候条
銘々厚く差心得不束之義無之様厳
鋪可申付候万一御手数品出来候節者
御咎可被 仰付候

一 山背泊近辺築嶋桝形外其外亀
田浜七重浜等者場末にて何分御不
安堵も有之且人家少く候得者夜
分抔蜜上陸之程も難斗候間婦女
子之分者老若とも不残男子而も十
二三才以下之ものハ最寄山之手辺
所縁を求め近々之内早々為立退
可申候尤難渋之者共者相応之御手
当可被下置候間町役人共より可申立候

亜墨利加一条写020
出典:函館市中央図書館デジタル資料館 亜墨利加一条写  (1810642403-020)

一 御城下并在々江差辺又者他国より相越
逗留いたし居候もの共取調之上早々用事
為取片付帰郷為致可申候別遊民躰之
者者早々為立払可申候
一 異船滞留中者牛飼之もの共箱館
市中并海岸近之村方而諸荷物
運送いたす間鋪候勿論浜辺近
候義堅く不相成候
一 炭薪青物類者日用之事ゆへ近
在より馬にて附出候義者不苦候得共異
人共馬之陰を見掛候ハゝ直様村方まて
附慕ひ如何之義有之候而者不宜候ニ付
異人共上陸之様子承候はゝ馬士并在々
之もの共途中より早々引返可申又用
ニ而帰村之人馬も同様相心得申達
候迄者市中扣居可申候
一 酒之義者異人共殊之外好物之由
而も呑候得者手荒之義有之由

コメント

タイトルとURLをコピーしました