売初主不存候得共常々太もの類売
捌候ものゝ噂同日彼等至而気荒くして
戸蔀ニ締を付候族ニおいてハ右之
締を取自儘之所業警衛之御役人
又者町内之締方抔茂何共致し方
無之当惑いたし候万一彼等ニさからへ
候而者争ヘ之端と相成候も難斗候哉ニ候
乍去リ何事茂無之元舟ヘ罷帰リ候
廿六日上陸之人数廿五日同様尤陸上リ之
節者町内々鉄棒を曳候得ハ夫々
戸締を付婦人子供等隠し置申候
得共裏町ニ住居取上ケ婆々有之右之
もの宅ヘ戸締ヲ踏破リ入込候其節
右之婆々娘孫と彼等か眼に掛リ候由
ニ而驚入北村様沖之口御役所江達ニ相成
右之もの宅ニおいて茂何事無之候得共
次第彼等か通辞ヘ申談候所国方
之制度等有之候由其節彼等弐人
外ニ両三人気荒キもの有之残リ
上陸之ものハ市中俳徊致し又者買
もの致し候
廿七日上陸前同様買もの之義ハ不相替
気荒キもの見得す警固之御役人様并
町内安堵いたし候上陸之刻限明六ツ時
半頃戻リ七ツ半頃
廿八日上陸之人数不足小舟修嗿嗷
退帆買ものハ前に等し
廿三四日頃より実行寺ヘ上陸之もの両三人
有之此もの等絵図面方ト見得たり
都而絵図面取候ニ者鏡ヲ立候得ハ者其鏡ニ
絵図面人物ニ不拘鏡に其儘相移
其場より鏡取候而も移リ候もの鏡より不取
候由若哉魔術かと之市中之噂
人物被移候御方御城下御役人両三人
御当所御役人壱両人山之上町三〼
上田屋稲蔵娘壱人小住と申茶屋ノ婦人
壱人同職∧上1ノ婦人壱人都合女三人
外ニ被移候もの有之候由ニ而候得共
名前不存右図面方之もの退帆
二三日前より実行寺より引取右寺ヘ
返礼有之由ニ候得共品ハ不存
同寺ニ有之候火桐之皿無心いたし持参
廿九日上陸人数沢山店方より買もの
相応品もの寔に塗もの 蒔絵之重箱
墨 砥石 子供之日傘 瀬戸もの類
秩父白絹之類 薩摩芋 梨子 栗
橙之類 煙草入 鶏■2 木魚 花生
津軽鉢飴 絵本類 膳椀 佐渡箪笥
縮緬望ミ候得共不売 子供太皷 粗印
アメリカ人より進上品実行寺ヘ木綿六反
蝋燭廿丁 瓶入茶壱 女ともヘ者瓶入之
花の露壱ツ宛以上三人江此花の露大人江者
弐合入程之品三〼子供江者夫より小サく何れ之
品茂御上様江差上ニ相成同寺ヘ上陸中
扱人松山仲次郎様
初発より万事応接方代嶋様蛯子次郎様
アメリカ洲海岸惣大将
ヘロリ
和蘭通辞名
ホルテメン
通辞名
ウリヤムス
広東人
羅ラ 森シン
アメリカ洲ベンデー此もの万事ニ行届キ
大将ベロリ山田屋寿兵衛宅ニ而買もの
是ハ上品もの 蒔絵之重箱 同印籠
金襴之類 扨外いろゝ有之候得共
筆に不及
御当君様江御献上有之趣ニ候得共
品もの不存 外ニ御家老様 遠藤様
関央様 石塚官蔵様 工藤茂五郎様
右御歴々之様江彼等より献上品粗寔に
剣付鉄砲 砂沙体之品 瓶入之酒
茶 剣 外ニ有之か者存不申候
晦日上陸之人数前日より不足ニ候間
彼等茂段々町なれ騒々鋪いたし
方無之市中警固方も右に順し
日々穏ニ相成候
触書
此度渡来之亜墨利加船内海致退帆候然所
右滞船中彼是自儘之所業候由異外之兵端
を開候義も難斗候ニ付夫々御固被 仰付候得共
船軍之御備向茂未タ御整ニ不相成折柄無余義
平穏之御処置ニ被成置彼方志願之内漂民撫恤
并航海来往之砌薪水食料石炭等舟中欠乏
之品々被下度との義御聞届ニ相成候所場所御取極
無之候得者何国之浦方江茂勝手次第渡来不取
締ニ付豆州下田湊松前之箱館ニおいて被下候積
候当今不容易御時節ニ付兼而被 仰出有之
候通質素節倹を相守此上水陸之軍事一際
相励ミ若非常之義茂有之候ハゝ速ニ本邦之
御武威相立候之様可被心懸候右之通早々可被
相触候寅四月右之通被仰出間此段相触候
是ハ市中ヘ不触
五月朔日上陸三四拾人有之候得共平穏
五月二日上陸同人数位買もの等いたし
〃三日前日同前四日同断
先月廿ニ日より此四日迄アメリカ人両三人位
宛赤川上山鍛冶村辺江罷出村方
一統誠ニ当惑いたし候然共乱妨ケ間
鋪義毛頭無之其頃大野辺ヘ俳徊
いたし度趣アメリカ度趣アメリカ被申候趣ニ而同村
心配いたし箱館表より引越之方々隠場
抔拵候由文月辺ハ有川村江網引之
もの共罷出候ニ付川伝ヘニ彼等参リ候
と之噂ニ而隠場心配いたし候趣右
アメリカニ付箱館付在々六ケ場所ニ至
迄大騒キいたし候向後者貧乏神より
大禁物候
〃四日御当君様より彼等ニ被下もの
有之候趣品ハ不存
〃五日朝ニシタラ ハンテリヤ両艘
退舟上陸不足
同日御公儀様御役人茂辺地村より
当地へ四ツ頃御着御名前左ニ
御支配勘定 御徒士目付
安間純之助様 平山鎌次郎様
上下七人 御宿伊源 上下九人宿八幡
御勘定下役 御小人目付
吉見鍵之丞様 吉岡元平様
上下三人御宿猿礼 上下三人御宿村林
蘭学者
武田斐三郎様御宿∧十3
上下四人
外ニ御城下御役人
北見伝次様御付添
上下五人
同日夜鉄炮筒音ト大キに高し夜明之
鉄炮ハ格別にあら寸
〃六日御公儀様御役人不残御当所
御役人付添ベロリ之乗舟鮑丹4江
応接ニ八ツ時二分ニ罷出暮六ツ頃ニ
沖之口ヘ罷帰り其時ベロリより当所
橋舟水主之ものヘパント申シトキ躰
之もの六叺ブタ躰積ツケ候樽もの弐丁
太義料に参リ候得共不残御引上ケ
〃七日大将ベロリ沖ノ口ヘ上陸いたし
夫より山田屋寿兵衛宅ヘ参リ音楽有之
候趣ニ付御公儀様御役人御城下御役人
御当所御役人夫々御役筋ニ而右之
山田ヘ朝五ツ頃より相詰罷有候御役人様
ニ者外御用之趣沢山ニ而音楽斗リ之
御用ニ而相詰不申由市中之もの共
御用之義者不存音楽一ト筋と差
心得沖ノ口門より弁天町山田寿兵衛
近所迄門前ニ市を成か如くに集リ
候得共折あしく朝五ツ半頃より雨天
ニ而べろりくわんと九ツ時迄待受候甲
斐なく上陸なし外アメリ人二三人上陸
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